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熱・水・環境の多様な事業を有し、多様な人を大切にする

  • 三浦工業株式会社
  • 2018.11.22
  • 愛媛県松山市他

「“ミウラ”は、機械系の会社だと思っていました」

三浦工業株式会社でメディカル事業部に所属する渡邉さんは、インタビューの中で、自社の素直な印象をそう口にした。渡邉さんは、愛媛県出身で、Uターンで三浦工業に転職した。その渡邉さんが、三浦工業の印象を「機械系の会社だ」と感じていたのだから、三浦工業=「ボイラ」のイメージは相当強いものがあるのだろう。

三浦工業は、主力事業のひとつとして工場等で不可欠なボイラの製造・販売・メンテナンスを手がけている。確かに、三浦工業はボイラ事業で成長した会社であるが、現在はボイラだけの会社ではない。ボイラ技術の核となる「熱」「水」「環境」の分野を中心に、長年培った技術力を応用し、多様な事業を展開している。

今回、渡邉さんと、人財開発部で採用を担当する阿部さんからお話を伺った。そのお話の中からは「機械系の会社だ」というイメージを覆す、三浦工業の多様な事業展開と独自の強みの一端を感じることができた。併せて、多様な人を大切にする会社の風土も伝わってきた。

 

(お話を伺った阿部さん(左)と渡邉さん(右))

(お話を伺った阿部さん(左)と渡邉さん(右))

 

――現在、渡邉さんが担当している業務の内容

渡邉:私は現在、メディカル事業部に所属しています。商品は大きく2つあり、ひとつは医療器材を滅菌する滅菌器、もうひとつはミウラ独自の減圧沸騰洗浄器です。私は、洗浄器の洗浄剤と滅菌器の付帯品について、商品開発から量産・維持を担当しています。当社では大体ひとり1+αの商材を担当しています。洗浄剤は製造方法がある程度確立しているので、配合を決めて製造ラインに乗せ、量産を維持していきます。付帯品等の装置では機械設計が必要で、図面を書き、部品を注文し、組み立て、量産を維持します。私は元々化学系が専門分野で、メディカル事業部に採用されましたが、「それ以外の部門も担当してほしい」ということで新しく機械設計も担当しています。

 

(三浦工業のメディカル事業部の商品のひとつ洗浄器の説明をする渡邉さん)

(三浦工業のメディカル事業部の商品のひとつ洗浄器の説明をする渡邉さん)

 

――転職のきっかけ、前職との違いを感じること

渡邉:前職は会社の将来像に少し不安があったことと、「地元愛媛の企業で就職できるところがないか」と考えたのがきっかけです。前職は、工場が中国にあり、しかも一ヶ所に集約されていたので、何かあると経営に影響が生じてしまう点を不安に感じていました。また、前職は愛知でしたが、「愛媛にいずれ戻って来られたら」という想いは以前から持っていました。前職で携わっていた商品が量産化され、一区切りついたタイミングで転職を考えました。
愛媛は、愛知と比べると企業数が少ないので、転職するには職種の幅を広げて考えないといけないと感じる一方、専門である化学系の職種からあまりかけ離れた転職は難しいというジレンマを感じていました。三浦工業は機械系の会社だと思っていたのですが、化学系の募集があると知り、応募しました。愛媛県内で化学系の業務を担う会社となると選択肢が限られるので、もしミウラに採用されなければ、愛知に残っていた可能性が高いかもしれません。また、前職と違いミウラは国内に工場も拠点もありますので、安心ではないかと感じました。
同じ化学系なのである程度理解しやすい分野ではありましたが、洗浄剤のような液体の商品は扱ったことがなく、業務は一から覚えました。企業規模が大きくなったことで、開発のステップに多くの人が関わり、また海外で生産していた前職と比べて人件費が大きく違うので、コストメリットをより強く意識しています。
生活面を比較すると、地元ということもあり、松山まつりなどの地域活動に参加しやすいですね。愛媛は愛知より、子育てもしやすい環境だと感じています。愛知では家から遠くの公園まで行かないと遊ぶ場所がありませんでしたが、今は、車も少なく自然も多いので、愛知よりも安心して子どもを外で遊ばすことができます。車が多いと、外に出すこと自体が心配になるので。

 

(渡邉さんは担当する業務や会社に抱く想いを笑顔で語ってくれた)

(渡邉さんは担当する業務や会社に抱く想いを笑顔で語ってくれた)

 

――三浦工業が持つ多様な事業展開がもたらす独自の強み

渡邉さんが担当しているメディカル事業は、ボイラとはすぐに結び付かない事業だろう。それぐらい現在の三浦工業は多様な事業を有している。取引先や市場のニーズに、三浦工業が持つ高い技術力を応用することで、新しい分野を開拓してきた。ボイラというものづくりに必要不可欠なものの製造・供給と、多様な事業展開を掛け合わせることで、三浦工業は他社にはない強みをつくり出している。

阿部:元々ボイラ事業で会社が始まり、その技術の核となる熱と水の分野で培ってきた技術力を応用しながら、新しい分野に事業を発展させてきました。お客様にボイラと水処理関係をメインに導入していただくところから始まり、工場全体により多くのミウラの商品を展開することで、お客様にトータルでソリューション提案できるようになっています。お客様の工場内にメーカーが異なる商品が導入されていれば、その分維持管理のコストや負担が増えていきます。ミウラがものづくりからメンテナンスまでワンストップで請け負うことで工場全体のコストが抑えられます。このように多くのお客様に幅広い多様な提案ができるのは、工場に不可欠なボイラ事業があってこその展開です。
熱・水・環境、すべての分野で多様な研究開発をしている人がいて、新しい商品づくりの発想が広がるところが強みですね。

渡邉:メディカル事業部はボイラ事業部ほど大きくありませんが、ボイラの担当者を含めると当社の拠点は全都道府県にあり、それぞれメンテナンス員が駐在しています。メディカル業界の大きい会社でも全国に拠点を持っているところはありません。一方で、病院は全国にあり、全国どこの病院でもミウラの社員がメンテナンスできる体制を整えていることは競合他社との差別化要因です。特に病院は、装置が止まると生命にかかわるなど緊急性が非常に高く、実際に滅菌器が止まると手術が止まってしまいます。トータルでわが社の商品が導入されていて、迅速にメンテナンスができることはミウラの強みです。
また、様々な部署があることで、部品や原材料、製造ラインを共有することができます。同じ部品や原材料を使うことで1度に多くの量を仕入れて価格を抑えたり、他部署で採用実績がある部品を使うことで実証試験等を少なくすることもできます。また、工場全体でトータルソリューションができるという点は商品設計の面で役に立ちます。「この業界にはミウラのこの商品も入っているので、こんな商品は売りやすいんじゃないか」等、企画の段階で売上の予測が立てやすくなります。また、既にボイラを導入しているところにはこれまでに築いた信頼関係もあって、他の商品の営業もしやすくなります。

阿部:新しい技術開発は、トップダウンとボトムアップの両面から生まれます。現場の開発状況と、市場調査・国の施策や方針等を総合的に見つつ、開発部門全体での定例会で広く情報共有しながら研究開発を進めていきます。

渡邉:ボトムアップでの商品企画が生まれるかは時と場合によります。どこの事業・研究開発に力を入れるかについては、実は法律の改定が大きく影響します。改定によって商品の入れ替え等が必要となるものは人材を確保し、研究や商品企画にも力を入れます。基本的には企画から商品化までは2年ぐらいのスパンですね。

 

(技術・営業販売・メンテナンスが連携しながら事業を推進する)

(技術・営業販売・メンテナンスが連携しながら事業を推進する)

 

――多様な事業展開の基盤となる、多様な人を大切にする風土

事業の多様性を大切にしていくためには、新しいアイデアやチャレンジ精神を尊重していく土壌が必要となるだろう。三浦工業は、その前提となる「社員ひとりひとりを大切にする」という風土を持ち、やりがいや働きやすさを尊重する職場をつくっている。

渡邉:社風としては「人を大切にする」会社だと感じます。コンプライアンスや女性活躍・働き方改革等の国の方針に、会社としてすぐに対応する点はすごいなと思います。

阿部:女性活躍やダイバーシティという考え方が根づいていて、働きやすい職場だと思います。ボイラ=男性の職場というイメージかもしれませんが、女性活躍が叫ばれ始めてすぐに女性活躍推進課等を設け、男女関係なく活躍の場を広げるという考えが広がりました。結婚・出産・子育てを経て働き続ける女性も増えましたし、一般職から総合職へステップアップする方も増えています。また、今は女性が活躍できるのは当たり前で、さらにダイバーシティという考え方で国籍や障害等に関係なく、全従業員が働きやすく活躍できる職場を目指しており、みんながやりがいを持って働ける職場づくりを進めています。

 

(女性の活躍やダイバーシティについて語る阿部さん)

(女性の活躍やダイバーシティについて語る阿部さん)

 

――愛媛に拠点を置くメリット

渡邉:愛媛県出身で地元志向が強い方で、ものづくりに携わりたい優秀な方は、ミウラを選んでくれることが多いのではないでしょうか。愛媛にいるデメリットを挙げるとすれば、大規模な展示会が都市部でしかなく情報収集の負荷が大きいことと、東京や大阪や名古屋と比べて地場に技術力のある部品メーカーの数が多くないことですね。

阿部:そもそも、創業者に地元愛が強く、社員5人で始まった会社です。地元の人を大切にし、地元を活性化させるという考えを大切にして大きくなった会社なので、やはり愛媛に恩返しをしたいという想いはずっと持ち続けています。確かに物流面で不利な面はありますが、経営上の大きな問題ではなく、やれないことはないと思っています。全国100箇所に支店と営業所を持っている強みがあるので、そことうまく連携がとれれば問題ありません。

 

(本社社屋周辺の様子=愛媛県松山市)

(本社社屋周辺の様子=愛媛県松山市)

 

(本社社屋周辺の様子=愛媛県松山市)

(本社社屋周辺の様子=愛媛県松山市)

 

(三浦工業の北条工場とその周辺の様子=愛媛県松山市)

(三浦工業の北条工場とその周辺の様子=愛媛県松山市)

 

――三浦工業の描く将来像

阿部:繰り返しになりますが、お客様に対して、ミウラができることを増やしていきたいと考えています。あとはグローバル展開ですね。市場調査を進めつつ、まずはボイラから海外展開していきたいと考えています。もう1点は、事務処理業務をIT化し、社員には付加価値のある仕事を任せていくよう個々のスキルアップを図り、より自分たちから提案できる組織にしていきたいと思っています。

 

ボイラ=エネルギーというものづくりになくてはならない商品を基盤に、新しい事業を展開することで、三浦工業はトータルソリューションという強みに昇華して事業を成長させている。これからも三浦工業は、顧客や市場のニーズと、自社の高い技術を掛けあわせ続け、顧客に無くてはならないパートナーとして、成長を続けていくことだろう。

 

 

●三浦工業の採用ホームページはこちら

http://www.miura-saiyo.com/

 

制作:四国経済連合会
取材:一般社団法人四国若者会議

 

四国へ就職・転職し、ご活躍中の皆さんへのインタビューを通じて、
四国の企業やUIJターンに関する情報をお届けします。

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