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日々の対話が生む、会社のあるべき姿と個人のやりがいが融合する働き方

  • 西精工株式会社
  • 2019.05.17~
  • 徳島県徳島市他

「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞した企業が徳島県徳島市にある。ナットやファインパーツの製造を手がける西精工株式会社は、技術力はもとより、働く社員ひとりひとりの満足度も極めて高く、その取り組みが各種メディアでも取り上げられている企業だ。
今回、そんな西精工の働き方の背景について、インタビューを通じて深掘りした。西精工の大きな特徴のひとつは、会社の「創業の精神」「経営理念」が社員ひとりひとりに浸透していることである。

※「創業の精神」「経営理念」はこちらから

経営理念等を掲げる企業は多くあるが、それが社内の隅々まで浸透している企業はどれほどあるだろうか。西精工では、企業としての目指すべき姿が社員ひとりひとりにまで深く浸透しており、それが社員の働きやすさに直結している。
今回、ナットやファインパーツの生産設備や付帯設備の設計を担当する木内さん、総務部で社員の健康管理や衛生管理を担当する志摩さんに、西精工の会社のあり方と個人の働きやすさが有機的につながっている背景を伺った。お二人ともUIターンで西精工に転職した方である。

 

(お話を伺った木内さん(左)と志摩さん(右))

(お話を伺った木内さん(左)と志摩さん(右))

 

――転職のきっかけ

木内:大学院を卒業するまで徳島で過ごし、研究していたモーターに関する仕事をするため愛知で就職しましたが、「ゆくゆくは徳島に帰ってきたい」という想いを当時から根底に持っていました。転職のきっかけは、子どもが生まれたことです。子どもが大きくなったら帰りにくいと考え、4年前に転職して徳島に帰ってきました。

志摩:神奈川出身で、大学や前職の勤務先も東京、徳島に地縁のないIターンです。主人が徳島出身で、結婚当時は「お互いが定年退職した後に、徳島に帰っても良いね」という考えだったのですが、主人の気持ちが変わり「Uターン転職したい」という話になりました。主人の転職先はすぐに決まったのですが、私は前職で新規のプロジェクトを立ち上げたばかりだったので、一時期、東京と徳島で離れて暮らす期間を経て、徳島に移住しました。

 

――転職の際に重視した事項、西精工を選んだ決め手

木内:新卒のときは給料等にも注目していましたが、仕事を始めると、働きやすさや働いていて楽しいと感じる職場環境の方がより大切だと感じるようになりました。
愛知で、徳島のハローワークの出先機関やインターネットで徳島の求人情報を調べたのですが、あまり情報が出てこず、西精工の社名は最初に親から聞きました。実際に働いている人やその表情を見たいと思い、転職活動の面接を受ける前に工場見学をお願いしました。そこでは働いている方の顔つきが前の職場と全然違い、とても楽しそうに仕事をしていて、「この人たちといっしょに働きたい」「ここで働くといきいきと仕事ができるのでは」と思ったことが1番大きかったと思います。

志摩:関東出身なので、四国の企業は大手以外、本当に知りませんでした。徳島のハローワークのUIターン情報サービスや人材紹介会社を通じて何十社も候補があった中、ピンときたのが西精工でした。私も面接の際に工場見学をさせてもらいました。社員の方が作業の手を止めてこちらに来て挨拶してくれ、こんな会社は初めてで、すごいと感じました。またその社員の方々の表情ですよね。充実感が見られ、いきいきと働く姿が印象に残りました。また、一般論として東京と比べて給料が下がるのは分かっていたので、子育て支援が充実しているかといった働きやすさを重視しました。

 

(西精工の工場風景)

(西精工の工場風景)

 

(西精工が生産するナット・ファインパーツ)

(西精工が生産するナット・ファインパーツ)

 

――前職と西精工の業務の違い

木内:前職でのモーターの設計や開発は、ひとつのことを突き詰めていく研究職のような仕事でした。一方、今の業務は部品の購入から加工・組立てまで設備をつくり上げる仕事なので、業務の幅が広がった感覚です。

志摩:総務の業務としては、前職と今とで違いはあまり感じていません。ただ、西精工がおもしろいなと思ったのは、生産が一貫体制になっており、ものづくりを最初から最後まで自分たちでやろうとする文化があることです。都市部では取引先にお願いすれば良いという考えになりますが、徳島だからこそ、また根本にある創業の精神としてそういう風土があるからこそだと思います。
また、人との距離も違うと思いました。例えば、健康管理において有所見者の二次検診を依頼する場合でも、情報発信した際の社員の感度が高いと感じています。ご本人はもちろんですが、周りも空気をつくってくれて、業務が推進しやすいですね。こちらから投げたボールが周りの促しも含め、きちんと返ってくる手応えがあり、仕事のやりがいやおもしろさにもつながっています。

 

(総務部で社員を各所でサポートする志摩さん)

(総務部で社員を各所でサポートする志摩さん)

 

――「創業の精神」や「経営理念」が仕事の中で現われてくるとき

西精工では、会社として大切にするものと、個人の日々の業務を関連づける時間として、毎朝「朝礼」を実施している。その特徴は、「創業の精神」や「経営理念」を軸に、ひとりひとりの業務について本質的な問いかけや対話が交わされることにある。その対話が、自分に向き合う時間となり、西精工としてチームで働く意識を生み、ひとりひとりの働きやすさにもつながる時間となっている。

志摩:毎日の朝礼に1番現れていると思います。最初に「創業の精神」の唱和から始まりますが、その中に「人間尊重の精神」があります。前職では、自分中心に業務を進めていましたが、西精工では目標管理も含めてチームでどれだけ成果を残したかが重視されます。チームとして良い成果を残すために、人と関わり、人に関心を持つことが大切になります。毎日の朝礼や定期の勉強会やイベントで、自分の部署以外の人とも関わる機会を大切にしています。子どもが病気で会社を休んだときも、部署が違う人やそれこそ役員にまで話が伝わっていて、人に関心がある風土だと改めて感じ、「ひとりではなくみんなで楽しく仕事をする」ことを実感できています。

木内:前職では、部署と部署の間に壁を感じたり、同じ部署の中でも横のつながりが薄く、時には責任をなすり付け合うことがありました。私も朝礼で反省することが多いのですが、自分はできたがチームとして成果があがらなかったときに、「なぜか」と対話を重ねていくと、「自分のことばかり考えていたから」という答えに突き当たることがまだまだ多いです。誰かと関わったことで成果をあげる、その成功体験を分かち合うことが、仕事のやりがいにもつながります。
また、前職では、例えば協力会社の方々との間に上下関係みたいなものがあり、西精工でも最初のころは無意識にそのスタンスで仕事をしてしまっていました。すると、「協力していただいているんだから、上下関係は取っ払い、信頼関係をつくって仕事をしないといけない。助けていただいているという感覚が足りない」と朝礼で指摘され、自分の至らない点に気づくことになりました。上下関係ではなくwin-winの状態になるよう、人との信頼関係をつくった上で仕事をしていく必要性を感じています。結局、最後のところは人と人なので。1日のうち、朝礼での自分と向き合う時間に1番頭を使っているかもしれません。

 

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(本質的な問いかけが交わされる朝礼の風景、毎朝1時間チームで向き合う)

(本質的な問いかけが交わされる朝礼の風景、毎朝1時間チームで向き合う)

 

志摩:お客様である大手メーカーがサプライチェーンを整備する中で、現在経由している商社以外へ変更したいという旨の連絡が入りました。指定する商社でないと取引が出来ないとのことでしたが、現在の商社との長年にわたって築き上げてきた信頼関係を大切に考え、大手メーカーからの申し入れをお断りしたことがありました。
創業の精神の「相互信頼関係の精神」に沿って、昔からのお取引先との信頼関係を何よりも大切にした事例としてとても印象に残っています。

木内:西精工の風土として「やってみなはれ」「やってみろ」というところが強くあります。設計の際にアイデアが思い浮かび相談すると、まず却下されることはなく、認めてくれることはやりがいになっています。人を見てくれているところが大きいですね。

志摩:利他や横の連携の強さも感じます。例えば、朝礼の対話で自分の困りごとを話すと、ちゃんと改善のヒントを見つける流れが生まれます。「他人のことはどうでもいい」という風土だと、何の反応も無い場合もあると思いますが、実際いろいろな反応があり、大家族主義や人間尊重の精神を感じます。総務から見ても部署間の連携は早く緊密だと思います。

木内:横の連携は確かに感じます。困りごとを発信すれば、応援に駆けつけてくれます。また、仕事以外でもつながりが強いですね。プライベートの部分でもつながるのは、仕事だけの付き合いではなくその人自体に興味があるからだと思いますし、そのつながりが仕事に生かされていると感じます。

 

(横のつながりが強い西精工の社員たち)

(横のつながりが強い西精工の社員たち)

 

――なぜ、「創業の精神」や「経営理念」が浸透しているのか

志摩:朝礼では、ただ毎日唱和するだけでなく、創業の精神や経営理念やそこから派生したフィロソフィーを元に、対話を重ねています。対話することで、それらを深く考える意識付けになっていると思います。「なぜそう思ったんですか」という問いに答えるうちに、自然と血肉化する感じですね。社長が毎月行うリーダーシップ勉強会も同じですが、会社が大切にするフィロソフィーを、今日はお客様のこと・今日は一社員のこと・今日はクレームのこと…といろいろな視点から考える場があるので、浸透しやすいのだと思います。また、発言に行動が伴っていないと、朝礼で「本当にそう思っていますか」と見透かされてしまいます。お互いが関心を持って分かり合っている環境だからこその良さであり大変さだと思います。

木内:私の持論ですが、誰しも「人に頼りにされたい」ものだと思います。西精工は「やってみなはれ」の精神があるので、仕事を任せてもらえ、任せてもらえた仕事を成果につなげたら感謝され、仕事のやりがいや幸せを感じ、成功体験になるという良い循環があります。振り返ると、結局これが創業の精神を表しているのではないでしょうか。そして、それは働く人の顔つきに表れるのだと思います。

 

(機械設備の設計を担当する木内さん)

(機械設備の設計を担当する木内さん)

 

――西精工への定着動機

志摩:3年前と同じ仕事のやり方をしていないところだと思います。新しい仕事を任せてもらえ、最初は手順書通りに進めるものの、改善点が見つかるとリーダーに確認しつつ、自分の裁量で変えていくことができます。それが認められ、自分が変えたことで一定の成果があがると、人から喜ばれ、「挑戦して良かった」という成功体験になります。「良くなった」という実感を持って仕事ができる環境は、仕事を長く続けるモチベーションになると思います。仕事がつまらなくなるということがないですね。あとは、些細なことでも「ありがとう」と言われることが多い会社です。その風土が、自分が認められている・頼りにされている実感を持て、小さなうれしさややりがいが積み重なり、仕事のおもしろさにつながっていると感じています。

木内:仕事を進めていく中で、ひとりでは成り立たないことが多々あります。この仕事をできるのは誰かのサポートがあったからで、だからこそ成功し成果があがったと感じられる環境が1番大きいと思います。社内の人でも社外の人でも「この人の役に立ちたい」という想いで、自分は何ができるか考えて、ひとつひとつの仕事に取り組めることがモチベーションにつながっていると思います。

 

(個人個人のミッション・ステートメントを作成し、掲出)

(個人個人のミッション・ステートメントを作成し、掲出)

 

――将来像

志摩:会社としては、ナットメーカーですが、今はファインパーツという目標に向かって全員が一丸となってものづくりに邁進しています。総務としてそのサポートをし、それが最終的にお客様の役に立ち、社員のやりがいにつながればと思います。法改正や業界基準の変化など、動きが早い業界なので、その流れに対応したものづくりを行い、「四国にこんな会社がある」と言われるよう、サポートしていきたいと思います。
個人としては、西精工にはバランスよく働ける環境が整っているので、引き続き仕事と子育てを両立しながら働き続けたいと考えています。また、製造業ということで現状は女性が少ない会社ですが、もっと「女性がいきいき働ける会社」にしたいですし、ロールモデルと言ってはおこがましいですが、そんな社員に少しでも近づけるように努力したいと思います。

木内:まだまだ知識不足、技術不足なところがあるので、「このことは木内に聞いておけ」と言ってもらえる分野をひとつつくりたいと考えています。今はまだ機械設計しかできていないので、ゆくゆくは機械・電気の両面から見たトータルの設備設計ができるようになりたいという想いがあります。

 

(西精工本社の社屋=徳島県徳島市)

(西精工本社の社屋=徳島県徳島市)

 

インタビューを通じ、「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」を受賞し、社員ひとりひとりの満足度が高い背景が垣間見えた。会社のあるべき姿を規定し、日々のコミュニケーションを通じて体現する社員が育つ。会社の文化と個人の働きやすさがマッチした環境が、日々の積み重ねの中で育まれている。

 

 

●西精工の採用ホームページはこちら

http://www.nishi-seiko.co.jp/recruit/

 

制作:四国経済連合会
取材:一般社団法人四国若者会議

 

四国へ就職・転職し、ご活躍中の皆さんへのインタビューを通じて、
四国の企業やUIJターンに関する情報をお届けします。

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